横浜地方裁判所 昭和51年(ワ)63号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
【判旨】
被告クラブ(正しくは鹿島セントラルゴルフクラブ)は非法人であり、かつ民事訴訟法四六条に規定する「法人に非ざる社団」にも該当しないから当事者能力を有せず、原告らの被告クラブに対する本件訴はいずれも不適法である。
すなわち民事訴訟法四六条の「法人に非ざる社団」とは、一応法人に類する一定の組織を具有し、かつそれ自体独立した固有の団体として継続的に存在し、しかもそれ自身の独自の財産を有するものでなければならぬとされるところ、成立に争いがなく被告クラブの会則<中略>によれば、被告クラブは、ゴルフ場を経営する被告会社の付属機関として設置され、被告会社とゴルフ場施設利用契約を結んだ契約者が自動的にそのメンバーとなるものとされている。その際契約者の入会保証金(預託金)および会費は被告会社へ納入されるものであり、被告クラブとしての会費なるものは存在せず、クラブ運営のための経費はすべて被告会社から支出され、従つて被告クラブの固有財産は存在しない。また、被告クラブは会則を有し、その目的、代表・執行機関等の定めをもつてはいるものの、それらはすべて被告会社の作成・委嘱にかかるものであり、会員各自が多数決原理によつて会の運営に参画できるような組織もなく、被告クラブとしては何ら独立性を有しない。以上要約すれば、ゴルフ場の施設を利用する会員相互の厚生親睦を計る社交機関にすぎないと認められる。とすれば、被告クラブは単なる任意の団体に過ぎず、前記法条にいうところの「社団」には該当せず、従つて当事者能力を有しないものというほかない。
(安井章)